【輿】 17画 車(10) 準1級
[音] | ヨ |
[訓] | おおい |
くるま | |
こし | |
のせる | |
はじめ | |
めしつかい |
《意味》
【輿】こし
【輿入れ】こしいれ
嫁に行くこと。嫁入り。
嫁の乗った輿を婿の家にかつぎ入れることから。
【輿人】よじん
【輿図】よず・よと
【輿地】よち
大地。全地球。全世界。
「輿」は万物をのせる物の意。
【輿丁】よちょう・よてい
こしをかつぐ人。かごかき。輿人。
「丁」は下働きの男の意。
【輿馬風馳】よばふうち
非常に速いことのたとえ。
「輿馬」は乗り物と馬の意。「風馳」は風のように馳せる、風のように速く走る意。
【輿望】よぼう
世間一般の人から受ける期待。
「輿望を担う」
「衆望」
【輿論】よろん
世間で一般に行われている議論。世間の人々に共通した意見。世論。
「世論」で代用することもあるが、これは「輿論」の言い換え語「世論」を書き換え語と混同して用いるようになった表記。
【輿論調査】よろんちょうさ
〔一定の方法で〕ある社会問題について、一般大衆の意見を調査すること。
世論調査。
【御神輿】おみこし
【権輿】けんよ
〔物事の〕はじまり。おこり。起源。
中国で、はかり(衡)をつくるときはおもり(権)からはじめ、車をつくるときは車の底(輿)からはじめるところから。
「濫觴」
【坤輿】こんよ
大地。
大地が万物をのせるのを輿(車)にたとえたことば。
「坤」も大地の意。
【梓匠輪輿】ししょうりんよ
大工のこと。
梓人は建具師、匠人は木工職人、輪人は車輪をつくる職人、輿人は車台をつくる職人。
【神輿】しんよ
みこし。
「みこし」とも読む。
【玉の輿】たまのこし
【玉の輿に乗る】たまのこしにのる
〔身分のひくい〕女性が結婚することによって、急に富貴の身分になる。
富貴の身分の人と結婚する。
玉の輿「1.」に乗って嫁する意から
【神輿・御輿】みこし
祭りのときなどに、神体・神霊をのせて運ぶための輿。神輿。おみこし。
《御輿を上げる》みこしをあげる
落ち着いているのをやめて、行動しはじめる。
「御神輿」
《御輿を担ぐ》みこしをかつぐ
他人をおだてあげる。
《御輿を据える》みこしをすえる
ゆったりとすわり込んで動かない。
「御神輿」
《字源》
「車+舁(よ)」
「舁」は左右上下から手で物を持つ形。
「輿」四偶に手をかけて手車を担ぐ形。
ちなみに「与(與)」は象牙二本を組み合わせた形である「」を左右上下の手で捧げている形。
現在の字形(新字体)は左右上下の手が省略されて「与」となっている。
さらに下に「手」を加えると「挙(擧)」となり、挙げ運ぶ意となる。
「興」は酒器である「同」を左右上下の手で捧げ持つ形で、酒で地霊を喚び起こすのが字の原義。
:「舁」の篆書。上下左右より手を加えて、ものをもちあげる形。
:「與(与)」の篆書。上下左右から「」を持つ形。
:左から「輿」の甲骨文字・篆書。